生産者の声

VOICE尾熊牧場の生産者の声

リスクを取って、味を極める

リスクを取って、味を極める

尾熊牧場 社長 尾熊将雄

本当においしい牛肉を皆さんにお届けしたいから、肥育期間を長く設定しています。
通常黒毛和牛は生後25か月程度から出荷が始まるのですが、尾熊牧場では生後33か月程度を目安に飼育しています。
そのためリスクやコストは高まるが、格段に甘味や香りが強く深くなります。私はこれを『生体熟成』と呼んでいます。

例えば、みかんでは青い段階で収穫し追熟したものと、木で完熟を迎えたもの、どちらの味が勝るかは明白ですよね。
私は牛肉においても同じことだと考えています。

また、コストの面においても、エサは値段で選ぶのではなく、自分が納得したもののみを牛に与え続けています。
牛肉の味や風味は牧場ごとによって異なります。
食べていただければ違いがお分かりいただけると思います。

本当においしいお肉を食べてほしい。

現在黒毛和牛の値段を決めるのに使われている目安は『格付』と『ブランド名(ネームバリュー)』の2つだけであり、味の評価は一切加味されていません。

私も自分の育てた牛がA5の評価を受けることはうれしいですが、それよりも消費者の方々に「なんでこんなに甘みがあるの?」「味付けは本当に塩だけ?」と味を褒めていただけることが最高の喜びです。

現在の『格付、ブランド主義』により、多くの人がブランドと格付だけで選んでしまうのが現状ですが、本質的な『味』という部分にフォーカスして、牛肉そのものを楽しんでください。

おいしい牛肉はおいしい飼料から。

尾熊牧場では肉本来の強い甘みを引き出すために、飼料にもとてもこだわっています。当牧場では中部飼料さんと共同開発したオリジナルブレンドの配合飼料『尾熊ブレンド』のみを使用しています。

その飼料の特徴としては、『乾式トウモロコシ』を配合していることです。日本の飼料会社でこの『乾式トウモロコシ』を生産しているのは現在中部飼料一社のみです。

先でも述べているように『乾式』は現在主流である『湿式』に比べ胃の中でゆっくりと消化されるため、牛の体調を整え、常に栄養を与え続けることができるため、肉になった際の味や香りが格段に変わってきます。

しかし現在『乾式トウモロコシ』はコストがかかりすぎるためほとんどの企業が生産を終えてしまっています。過去に中部飼料さんが生産をやめるといった際、私は激しく抗議しました。

私は、ただ良い色や綺麗なサシの黒毛和牛を生産していたいのではなく、
味のあるおいしい黒毛和牛を生産することを常に第一で考えています。
そのためには『乾式トウモロコシ』が絶対に必要だと私は確信を持っています。

『食肉格付』とは

枝肉流通の物差しとして、生産者と購買者との間で枝肉の品質を客観的(枝肉取引規格に基づき)に評価判定し、公正な取引を確保すること。
『JMGA 公益社団法人 日本格付協会』
右記のホームページより引用 http://www.jmga.or.jp/